漢詩「吟嚴父三回忌」(七言律詩)

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●原文:

 吟嚴父三囘忌  玄齋 佐村 昌哉  大阪市

法 會 晴 朝 過 巷 衢  飛 來 雙 燕 好 風 倶

浮 生 閑 詠 光 陰 逝  遺 影 常 同 歳 月 紆

親 族 看 姿 思 遠 路  經 聲 響 室 憶 泉 途

如 今 偲 父 心 當 改  淨 几 繙 書 我 勵 吾


●書き下し文:

題:「嚴父(げんぷ)の三囘忌(さんくわいき)を吟(ぎん)ず」

法會(ほふゑ)の晴朝(せいてう) 巷衢(こうく)を過(す)ぎ
飛來(ひらい)す雙燕(さうえん) 好風(かうふう)倶(とも)にす

浮生(ふせい) 閑(しづ)かに詠(えい)じて光陰(くわういん) 逝(ゆ)き
遺影(ゐえい) 常(つね)に同(おな)じくして歳月(さいげつ) 紆(めぐ)る

親族(しんぞく) 姿(すがた)を看(み)て遠路(ゑんろ)を思(おも)ひ
經聲(けいせい) 室(しつ)に響(ひび)きて泉途(せんと)を憶(おも)ふ

如今(じよこん) 父(ちち)を偲(しの)びて心(こころ) 當(まさ)に改(あらた)むべし
淨几(じやうき) 書(しよ)を繙(ひもと)きて我(われ) 吾(われ)を勵(はげ)ます

「嚴」の新字体は「厳」、「囘」の新字体は「回」、「會」の新字体は「会」、「晴」の新字体は「晴」、「來」の新字体は「来」、「雙」の新字体は「双」、「懷」の新字体は「懐」、「經」の新字体は「経」、「聲」の新字体は「声」、「當」の新字体は「当」、「勵」の新字体は「励」
「法會(ほふゑ)」の新仮名遣いは「法会(ほうえ)」
「朝(てう)」の新仮名遣いは「朝(ちよう)」
「雙(さう)」の新仮名遣いは「雙(そう)」
「好(かう)」の新仮名遣いは「好(こう)」
「閑(しづ)かに」の新仮名遣いは「閑(しず)かに」
「光(くわう)」の新仮名遣いは「光(こう)」
「遺(ゐ)」の新仮名遣いは「遺(い)」
「遠(ゑん)」の新仮名遣いは「遠(えん)」
「憶(おも)ふ」の新仮名遣いは「憶(おも)う」
「淨(じやう)」の新仮名遣いは「淨(じよう)」


●現代語訳:

 題:「父の三回忌について漢詩を詠みました」

法事の晴れた朝、街中を過ぎていくと、
つがいのツバメが飛来して、気持ちの良い風を共にしていました。

私の儚い人生は静かに詩歌を詠んで月日が過ぎていき、
遺影の(亡き父の)姿は常に同じで、歳月が過ぎていきました。

親族の姿を見て、来られた遠い道のりのことを思い、
読経の声は部屋に響いて、黄泉路のことを思っていました。

今は父を偲んで、心は今まさに改めるべきだと思い、
塵の付いていない綺麗な机に書を繙いて、私は自分自身を励ましていました。


●語注:

※厳父(嚴父)(げんぷ):父を尊敬して言う言葉です。父は私には優しい父でした。

※法会(法會)(ほうえ(ほふゑ)):ここでは法事(ほうじ)のことです。

※晴朝(晴朝)(せいちよう(せいてう))(小書き文字を使うと「せいちょう」):晴れた朝のことです。

※巷衢(こうく):町の道の分かれ目のことで、町中を意味します。

※双燕(雙燕)(そうえん(さうえん)):つがいのツバメのことです。

※好風(こうふう(かうふう)):気持ちの良い風のことです。

※浮生(ふせい):儚い人生のことです。

※光陰(こういん(くわういん)):月日のことです。

※経声(經聲)(けいせい):ここでは、読経の声のことです。

※泉途(せんと):「泉下(せんか)」、つまり黄泉路(よみじ)のことです。

※浄几(淨几)(じようき(じやうき))(小書き文字を使うと「じょうき」):塵などの付いていない綺麗な机のことです。


●解説:

今回は、今月の父の三回忌(日程の都合で、五月十五日に行いました)について、
七言律詩の漢詩にしてみました。

親戚の方々の顔を見ると安心しました。
毎回のように元気付けられました。

普段療養をしながら勉強をしていますが、
その上でもう少し元気を出して頑張ろうと思いました。

この気持ちを忘れずに努力を重ねていきます。


佐村 昌哉(筆名:白川 玄齋)

この記事へのコメント

  • おかん

    もう2年がたったのですね。
    法事のしめやかな雰囲気と相対する 2羽のツバメの描く
    軌道の鋭さ?が対比して いいな~~とおもいました。
    音の踏み方も綺麗だなとおもいました。

    熱くなってきましたが お大切におすごしくださいね!!
    2016年05月16日 12:20
  • 玄齋(佐村)

    > おかんさん

    こんにちは、温かいコメントをありがとうございます。

    はい。ツバメが見られる時期でもありますので、
    ツバメを見ると亡くなった時のことを思い出します。
    漢詩は韻を踏まなければならない分、
    発音に気を付けられるのも漢詩の良い所だと思います。

    はい。すっかり暑い時期ですね。今日は先ほどから雨が降ってきました。
    この時期は体調に気を付けて療養しながら、引き続き頑張っていきます。

    おかんさんも良い一週間をお過ごし下さい。
    2016年05月16日 17:53
  • 美舟

    お父様、もう三回忌でございましたか。
    日の経つのは早いものですね。
    素晴らしい漢詩を捧げて・・・
    お父様もきっと喜ばれていることでしょうね。
    ご冥福をお祈り致します。
    2016年05月19日 15:49
  • 玄齋(佐村)

    > 美舟さん

    こんばんは。温かいコメントをありがとうございます。

    はい。もう三回忌です。月日が過ぎるのが最近特に早く感じられます。
    七言律詩できちんと三回忌の漢詩が作れれば良いなと思って、
    思い切って作りました。漢詩は努力と思い切りだと改めて思います。
    父があの世で少しは喜んでくれると良いなと思います。

    と同時に、父があの世で心配しないように、
    療養しながらも更にしっかり頑張らなければと改めて思います。

    美舟さんも良い木曜日の夜をお過ごし下さい。
    2016年05月19日 17:29
  • 泥舟

    三回忌ですか。早いものですね。
    漢詩から お父様への思いが じんじん伝わってきます。
    きっと 天国まで届くと思います。
    こういった気持ちも親孝行かと思うんです。

    仮退院しまして
    今 自宅療養中です
    またヨロシクお願いします
    応援漢詩 本当にありがとうございました
    2016年05月20日 21:45
  • 泥舟

    三回忌ですか。早いものですね。
    漢詩から お父様への思いが じんじん伝わってきます。
    きっと 天国まで届くと思います。
    こういった気持ちも親孝行かと思うんです。

    仮退院しまして
    今 自宅療養中です
    またヨロシクお願いします
    応援漢詩 本当にありがとうございました
    2016年05月20日 21:50
  • 玄齋(佐村)

    > 泥舟さん

    おはようございます。こちらにも温かいコメントをありがとうございます。

    亡くなって二年の三回忌、月日の経過の早さを感じます。
    これからはよりしっかりと頑張っていかなくては、
    そういう気持ちを漢詩に込めました。
    亡き父にこの漢詩の気持ちが届くといいなと思います。
    親戚の方々からは長生きするようにと言われました。
    体調に気を付けてこれからも頑張っていきます。

    仮退院ですか。おめでとうございます。
    さらに回復していくことを願っています。
    右手が回復して、左手と共に、両手が自在に使えると凄いと思います。

    『老子』の次の章が完了しましたら、
    またそちらのブログにも訪問いたします。

    応援の漢詩もそうですが、漢詩で自分の気持ちを述べていくこと、
    これからも大切にしていきます。漢詩を丁寧に作っていきます。

    泥舟さんも良い土曜日の一日をお過ごし下さい。
    2016年05月21日 09:47