夏日山行 玄齋 佐村 昌哉 大阪市
嵐氣層雲存尺咫 翠巒歩歩何囘視
澄神立語溪流頭 忘暑行吟風動裏
歷涉長途觀遠近 登攀險路同生死
名山踏破至峯巓 暫迓爽涼歸故里
●書き下し文:
題:「夏日(かじつ) 山行(さんこう)」
嵐氣(らんき) 層雲(そううん) 尺咫(せきし)に存(そん)し
翠巒(すいらん) 步步(ほほ) 何囘(なんくわい)か視(み)る
神(しん)を澄(す)ませて立(た)ちて語(かた)る溪流(けいりう)の頭(ほとり)
暑(しよ)を忘(わす)れて行々(ゆくゆく) 吟(ぎん)ず風(かぜ) 動(うご)くの裏(うち)
長途(ちやうと)を歷涉(れきせふ)して遠近(ゑんきん)を觀(み)
險路(けんろ)を登攀(とうはん)して生死(せいし)を同(とも)にす
名山(めいざん) 踏破(たふは)して峯巓(ほうてん)に至(いた)らば
暫(しばら)く爽涼(さうりやう)を迓(むか)へて故里(こり)に歸(かへ)らん
●現代語訳:
題:「夏の日に山歩きをする光景を漢詩に詠みました」
山に立ち籠める青々とした気と積み重なった雲は、ほんの短い距離に存在し、
緑の山々を一歩一歩歩く度に何回も見るのです。
心を澄ませて渓流のほとりに立って語っていて、
険しい道を風が動く中で歩きながら詩を作っていました。
長い道のりをあちらこちらと巡り歩いて、遠い所、近い所を見、
険しい道をよじ登って生死を共にするのです。
名高い山を踏破して山の頂上に至れば、
暫く爽やかな涼しさを迎えて故郷に帰ろうと思います。
佐村 昌哉(筆名:白川 玄齋)
この記事へのコメント
水無瀬より
いいと分かっていながらそれをしない私。
一日、一ヶ月、一年があっという間に過ぎてしまう今日この頃です。
玄齋(佐村)
おはようございます。こちらにも温かいコメントをありがとうございます。
登山はとても良い効能があるのですね。私も小さい頃は病状も軽くて歩くことが出来ていました。その時の頂上に着いた時の爽やかさは今も印象に残っています。今はそうした記憶も頼りにして漢詩を作っています。こうした記憶はきちんと残っています。その上で、新たな挑戦をしていくことも大切にしていきます。これからも治療を続けながらしっかりと頑張っていきます。水無瀬さんも良い木曜日の一日をお過ごし下さい。